映画『寄生獣』が今なお色褪せないのは、山崎貴監督率いるVFXチームと東宝の制作陣が作り上げた映像世界の完成度が高いためだ。原作の持つダーク・ファンタジー的な哲学的問いかけを、ハリウッド級の映像美で具現化した功績は大きい。
国内外の映画批評家からも、単なるクリーチャー映画にとどまらない「生命倫理」や「種族の存続」を問う深遠なテーマ性が絶賛された。寄生生物の人間風刺やグロテスクな造形美の一方で、人間側のドラマが疎かになっていない点が高く評価されている。特に橋本愛演じる村野里美の視点は、異常事態に巻き込まれる一般人の代表であり、観客が物語に感情移入するための不可欠な架け橋となっていた。