日本の気象予算の少なさは、海外の気象機関と比較した瞬間に浮き彫りとなります。もっとも分かりやすい例が、アメリカの気象・海洋観測を担うNOAA(アメリカ海洋大気庁)との比較です。
NOAAの年間予算は約60億ドル超(日本円換算で約8,500億〜9,000億円規模)に達します。NOAAは海洋調査や水産資源管理を含む総合機関であるため単純比較はできないものの、傘下の国立気象局(NWS)単体で見ても、日本とは桁違いの研究開発費・観測網維持費が投じられています。
また、ヨーロッパの気象機関(イギリス気象庁や欧州中期気象予報センター:ECMWF)と比較しても、各国は気象データを「国家の安全保障と経済成長を支える最重要インフラ」と位置づけ、公的資金の大胆な投入や民間へのデータビジネス還元モデルを確立しています。
世界屈指の自然災害多発国であり、台風、豪雪、火山、地震、津波のすべてを単一の機関で監視している日本の気象庁が、わずか600億円足らずでこれらを切り盛りしている事実は、国際的な気象コミュニティからも「奇跡的なコストパフォーマンスであると同時に、あまりに危険な綱渡り」と評されています。