投票日に仕事や旅行、買い物などの予定がある場合、あらかじめ票を投じることができる仕組みが定着している。しかし、受付で記入を求められる「宣誓書」に対し、「本当は家でゴロゴロするだけなのに『仕事』と書いてしまったら虚偽記載になるのか」という疑問を持つ人は多い。
結論から言えば、公職選挙法において宣誓書に事実と異なる事由を選択して記載した場合、理論上は虚偽の宣誓にあたる可能性がある。ただし、現行の運用において、投票理由の真偽を警察や選挙管理スタッフが後から厳密に裏付け捜査することは現実的にまずあり得ない。罰則リスクの有無を巡る議論では、過剰な法的恐怖がひとり歩きしているのが実情だ。
公職選挙法第237条などには詐偽投票や投票偽造に関する罰則が規定されているが、これは他人に成りすましたり、二重投票を行ったりする悪質な不正投票を処罰するための規定である。「レジャーの予定を『用務』と丸をつけた」といった程度の理由のズレによって、直ちに警察に摘発されたり処罰されたりした事例は報告されていない。