松山まなかという人物を語る上で、避けて通れない最大の金字塔が「フルマラソン初サブスリー」の達成です。マラソン愛好家なら誰もが知る通り、フルマラソン(42.195km)を3時間未満で走り切ることは、一般市民ランナーにとって夢のまた夢。とりわけ女性ランナーにとってのサブスリーは、男性のサブ2.5(2時間30分切り)に匹敵するほどの高難易度とされています。
全日本マラソンランキングなどの公式統計データを参照すると、国内の女性市民ランナーにおけるサブスリー達成者の割合は、わずか0.4%前後にすぎません。さらに驚愕すべきは、彼女が「学生時代に陸上部の経験が一切なかった」という事実です。運動のエリート教育を受けていない普通の女性が、30代後半という年齢で過酷なトレーニングを積み重ね、この領域へ到達したことの衝撃は計り知れません。
フルマラソンでサブスリーを達成するためには、1キロあたりを4分15秒ペースで42.195kmにわたって刻み続けなければなりません。息が切れるようなスピードを持続し、終盤の筋破壊に耐え抜く練習量は、月間走行距離にして300kmから400kmを超えることも珍しくありません。この数値を前にすれば、彼女に対する「単なる可愛いタレント」という見方は完全に覆されることになります。