家庭料理の概念そのものも大きく変わりつつある。料理研究家の土井善晴氏が長年提唱してきた「一汁一菜」の考え方は、お弁当づくりにおいても無理をしない自然体のスタンスとして深く浸透した。品数を無理に増やす必要はなく、冷めても美味しい主菜が一品あればそれだけで満足度の高いお弁当が完成する。
一方で、「伝説の家政婦」として知られる志麻さんのお惣菜テクニックも見逃せない。素材の味を最大限に引き出す塩分調整と、作り置きしても味が劣化しないフレンチの技法を融合させたレシピは、日常のお弁当にプロの風を吹き込んだ。
さらに長年日本の家庭料理を支えてきたNHK『きょうの料理』でも、冷めても美味しく安全なお弁当の特集が定期的に組まれ、時代に合わせたアップデートが続けられている。高度な製品開発を続ける中食・弁当業界の最新知見もまた、家庭の弁当作りにダイレクトに影響を与えている。