ドクロの表現は、作品のジャンルや世界観によって求められる密度が大きく異なる。例えば、ダークファンタジーのゲームイラストや映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』のようなリアル志向のCG作品では、縫合線(頭頂骨と側頭骨の継ぎ目)や骨の細かい凹凸、経年劣化による質感の描き込みが不可欠だ。
一方で、『ONE PIECE』に代表される記号化されたドクロデザインでは、骨格のリアルな描写よりもシルエットの分かりやすさとキャラクター性が最優先される。しかし、どんなにデフォルメされたアイコンであっても、プロのデザイナーは頭蓋骨の「球体+下顎」という基本構造を頭の中で正確に回転させて描いている。解剖学の基礎があるからこそ、デフォルメしても破綻しない魅力的なデザインが生まれるのだ。