栃木といえば誰もがイチゴを連想するだろう。もちろん、鹿沼のパン職人たちもこの特産品を無視してはいない。しかし、そのアプローチは従来の「ジャムを挟む」といった単純なものではない。イチゴから採取した野生酵母を使ったカンパーニュや、地元のクラフトビール醸造所から出る麦芽粕を再利用したブレッドなど、実験的な試みが次々と行われている。
こうした挑戦は、地域の他業種との連携を深めている。家具職人が作った木製プレートでパンを提供し、地元の陶芸家の器でスープを出す。パン屋が、鹿沼のクラフトマンシップを体感するショールームの役割を果たしているのだ。