主役の二人を支え、作品に強烈なスパイスを加えたのが、第一アシスタントのエミリーを演じたエミリー・ブラントだ。当時はまだ無名に近かった彼女の毒舌でコミカル、しかしどこか憎めない熱演は、ハリウッド関係者の度肝を抜き、一躍ブレイクのきっかけとなった。
デヴィッド・フランケル監督は、一歩間違えれば単なる嫌われ者になりかねない登場人物たちに、生き生きとした人間味を吹き込んだ。慌ただしいニューヨークの編集部をテンポよく切り取るカメラワークと、絶妙な間隔で挿入される軽妙な会話。コメディとしての笑いを保ちつつ、働く女性たちが直面する挫折や決断をリアリティ豊かに描き出した監督の手腕こそが、本作を単なる流行り物で終わらせなかった最大の要因だ。