平屋3LDKのメリットばかりが強調されるなか、あえてデメリットに焦点を当てる。ネット上の住宅情報では「平屋はバリアフリーで安心」「子育てに最適」という言葉が氾濫しているが、実際に住んだ人の証言には別の現実がある。
防犯面の不安。すべての居室が地面と同じ高さにあるということは、窓から人が入りやすいということでもある。2階建てなら寝室を2階に置くことで心理的な安心感が得られるが、平屋はそうはいかない。防犯ガラスやシャッター、センサーライトなど、外構を含めた防犯計画を建築費とは別に考える必要がある。
日当たりとプライバシーの両立の難しさ。平屋の日当たりを重視して大きな窓を作ると、今度は外からの視線が気になる。特に密集地では、隣家と窓の位置関係によってはカーテンを閉め切ったままの生活になりがちだ。日当たりという言葉だけに引っ張られず、「光は入るが視線は入らない」設計を求めたい。
売却時の流動性。これは最近になってようやく語られるようになったポイントだが、平屋は土地の広さに対して建物面積が小さいため、都市部では売却時に不利になりやすい。駅近の好立地であれば土地値で売れるが、郊外では「更地にして売る」ことになるケースも多い。資産価値という視点では、2階建てに比べて再建築時の条件が限られる点は理解しておくべきだ。
とはいえ、これらのデメリットは「知っていれば対処できる」性質のものが多い。問題は、平屋のデメリットを明かさない住宅営業の姿勢である。契約前の打ち合わせで「防犯はどう考えていますか」「将来売ることは想定していますか」と自ら質問できるかどうかが、後悔しない家づくりの分岐点になる。