なぜ人々は、手作業のやりとりにこれほど惹きつけられるのか。その心理的ルーツを探ると、リラックマの原作者として知られるコンドウアキをはじめとする作家陣が紡いできた、温かみのあるアナログキャラクター文化と深く結びついていることが見えてくる。完璧すぎない、どこか抜けた脱力感のあるキャラクターたちは、手書きの不揃いな文字と抜群の親和性を持つ。
かつて学校の教室で秘密裏に回されていた交換日記と同じく、プロフィール帳には「特定の相手にしか見せない」という絶対的なプライバシーと信頼が存在する。SNSのオープンな空間では、常に他人の視線やアルゴリズムの評価に晒され続ける。しかし、1枚の紙の上にペンを走らせる瞬間だけは、誰にも邪魔されない自己開示の場が保証されるのだ。
筆跡の丸み、誤字を修正した跡、お気に入りの匂い付きペンで書かれたメッセージ。画面上のフォントでは決して伝わらない微細な感情の機微が、紙の繊維に染み込んでいる。文字情報以上の「気配」を受け取ることができるからこそ、手書きのコミュニケーションは時代を超えて人間の根源的な欲求を揺さぶる。