なぜ開催都市はこれほどまでの重荷を背負わされるのか。その根源には、国際オリンピック委員会(IOC)が長年主導してきた開催都市契約の排他性がある。トップを務めるトーマス・バッハ会長(当時)らが進めた改革「アジェンダ2026」でも、一度肥大化したメガイベントのコスト構造を根底から変えるには至らなかった。
日本オリンピック委員会(JOC)をはじめとする各国の国内オリンピック委員会も、開催地の財政負担リスクに対する懸念を深めていった。膨大なセキュリティ費用、国際規格に合わせた専用会場の建設義務、運営プロトコルの複雑化。自治体が財政の主導権を握れないまま莫大な赤字を穴埋めさせられる構造は、世界中の候補都市を退けさせる要因となった。