メディアで「流行語の寿命」が語られる際、「ぴえんはすでに死語になった」という論調が散見されます。しかし、SNSコミュニティやメッセージアプリの現場を検証すると、全く異なる実態が浮かび上がってきます。
SNS分析ツールによる直近の投稿データおよび大学生・若手社会人を対象にした聞き取り調査において、興味深い傾向が確認されました。話し言葉としての「ぴえん!」という口頭発話は確かに一過性のピークを過ぎたものの、テキストチャットにおける記号表現としての「ぴえん顔文字」の使用頻度は微増傾向を維持しています。知恵袋やコミュニティ掲示板でも「どの顔文字が一番可愛く見えるか」「iPhoneで可愛いぴえんを出すにはどうすればいいか」といった実用的な相談が絶え間なく投稿されています。
実地インタビューに応じた都内の大学生(21歳)は、現場のリアルな感覚を次のように語ります。
「言葉で『ぴえん』と声に出すのは少し前のノリって感じがしますが、LINEの文末に付ける(՞ o̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ ՞)は今も普通に必須です。句点(。)だけで終わると怒っているように見えるし、絵文字の🥺だと少し大げさすぎる。特殊文字のぴえん顔文字が、一番『柔らかい空気』を作ってくれるんです」
流行語としての消費期限を終えたあと、実用的な「感情の緩衝材(クッション)」として日常生活のインフラに定着したことが、データと生の証言の両面から裏付けられています。