一般の健康診断で広く行われているAST・ALT検査。これらの数値が正常範囲内にあるからといって、「肝臓は健康だ」と断定するのは非常に危険だ。
ASTやALTは主に肝細胞の破壊度合いを示す指標であり、胆管系トラブルや初期の胆汁停滞では数値が大きく上がらないことがある。痒みの原因が肝胆道系にある場合、注目すべきは「ALP」や「γ-GTP」、そして「総ビリリウム」や血中胆汁酸濃度だ。
消化器内科医の臨床現場では、AST・ALTが正常値であっても、ALPのみが高値を示していることで肝臓異常を発見する事例が多発している。「健康診断で引っかからなかったから大丈夫」という過信が、精密検査の機会を遅らせる最大の障壁となっている。