神楽坂の店舗へ足を一歩踏み入れると、そこはもう東京ではない。吹き抜けの天井から吊り下げられた巨大なクリスタル・シャンデリアが、温かみのある光を店内全体に投げかけている。内装は18世紀のフランス宮廷文化を意識したエレガントな装飾で統一され、タイムスリップしたかのような錯覚さえ覚える。
特に圧巻なのは、通りからも一目でわかるガラス張りのオープンキッチンだ。真っ白なコックコートに身を包んだ職人たちが、手際よくクリームを絞り、メレンゲを組み立てていく。迷いのない手さばき、舞い散るチョコレートの削り節。スイーツが完成するまでの過程そのものが、ひとつの上質なライブパフォーマンスとして機能している。