インターネット上のサッカーコミュニティやSNSでは、パラグアイ代表に対して「前時代的なドン引きサッカー」「ラフプレー主体の荒いチーム」というステレオタイプな論評が見受けられます。しかし、これは現代のパラグアイ代表を語る上での大きな誤解です。
第一に、彼らの守備は単に自陣に引きこもる「バスを停める」戦術ではありません。相手のビルドアップの意図をデータ分析に基づいて誘導し、特定のゾーン(特にタッチライン際)にボールが入った瞬間に複数人で連動して挟み込むハイプレッシャー・トラップを仕掛けています。
第二に、攻撃へのトランジション(切り替え)スピードと精度の高さです。ボール奪取からわずか数本のパス、あるいはサイドの広大なスペースへの高精度ロングフィードでシュートまで持ち込む設計がなされており、無駄なボール保持を省いた超効率的なオフェンスを展開しています。
第三に、緻密にデザインされたセットプレーです。アルファロ監督はコーナーキックやフリーキックのパターンを複数用意し、空中戦に強いセンターバック陣のニア・ファーへの飛び込みを徹底してルーティン化しています。アルゼンチン戦の決勝点も、まさにこの入念なセットプレー設計から生まれました。