本作の正式タイトルは『オリバーな犬、(Gosh!!) このヤロウ』。一見してふざけ倒しているように見えて、その実、極めて緻密に計算されたハードボイルドな警察ドラマの構造を持つ。池松壮亮演じる若手警察官・青葉一平の真面目さと、オダギリジョー自身が着ぐるみをまとって演じる警察犬オリバーの不条理な下品さ。この二重構造が見事なコントラストを描き出す。
他人の目には精悍なシェパードに見えているのに、一平の目にだけはタバコを吸い、酒をあおり、愚痴をこぼす中年男に見える。このワンアイデアを軸に、ヤクザ抗争、半グレ集団、失踪事件、さらには街の暗部までを絡め取るプロットの切れ味は圧巻だ。