政府が掲げる農林水産物・食品の輸出拡大目標に向け、日本産の和牛、日本酒、イチゴ、緑茶などは北米や東南アジア市場で依然として高い評価を得ている。円安基調の継続も後押しし、輸出金額は順調に数字を伸ばしているように見える。
だが、手放しで喜ぶことはできない。輸出拡大が国内の供給能力を圧迫し、国内市場での価格高騰を招くリスクや、動植物検疫(SPS)を巡る各国の規制強化など、クリアすべきハードルは多い。海外の富裕層向けビジネスと、国内国民の食料安全保障のバランスをどう保つかという新たなジレンマが生じている。