再開発が進む都心部において、ラーメンの流行は極めて速い。しかし、流行に流されず不動の地位を保ち続けているのが、力強い豚骨の旨味を凝縮させた博多豚骨ラーメンだ。渋谷区エリアには、本場福岡の屋台さながらの臭みを活かしたクラシカルな一杯から、洗練された現代風スープまで、多様な10の名店がひしめき合っている。
ある店舗では、大量の豚骨を数日間にわたって継ぎ足しながら炊き上げる「呼び戻し」と呼ばれる技法を導入。またある店では、豚骨独特のクセを極限まで抑えつつ、クリーミーなコクだけを抽出することに成功している。スープの表面に浮くきめ細やかな脂の泡、いわゆる「豚骨泡」が浮かぶ一杯は、視覚と嗅覚を同時に刺激して食欲を煽る。