血液型の歴史を紐解くと、古代の生存競争における劇的な物語が浮かび上がってくる。現在私たちが当たり前のように受け入れているABO式血液型は、1900年にオーストリアの病理学者カール・ランドシュタイナーによって発見された。彼の発見は医学界に革命をもたらし、輸血による死亡率を劇的に引き下げることとなったが、近年の遺伝学研究はさらに面白い事実を突きつけている。
人類の祖先が誕生した際、最初に存在していたのはどの血液型なのか。諸説存在するものの、かつてアフリカの過酷な環境を生き抜いた狩猟採集民の多くが現在のO型に相当する血質を持っていたとされる。原初の生存環境において、未知の病原体や寄生虫との凄惨な戦いを制するために選ばれた抗原の構造こそが、現在のO型のルーツなのだ。環境変化に耐えうるしなやかさとタフネスは、数百万年という時間の試練を経て受け継がれてきた。