吉本興業内では明快なNSC基準が存在する一方で、頭を悩ませるのが他事務所間の先輩後輩ルールです。人力舎、マセキ芸能社、太田プロダクション、サンミュージック、グレープカンパニーなど、事務所ごとに養成所のシステムやデビューの定義が異なるため、越境した現場では独特の調整が行われます。
基本的には「プロとして初舞台を踏んだ年月」を互いに確認し合い、キャリアが長い方を先輩として遇するのが通例です。しかし、デビュー時期が数ヶ月単位で重なる「ほぼ同期」の場合、互いに話し合って「同期扱いでタメ口にしよう」と取り決めるケースも少なくありません。
現場のリアルな空気を決定づけるのが芸人の楽屋挨拶における序列です。テレビ局入りした際、後輩芸人は必ず先輩芸人の楽屋へ挨拶に赴くのが鉄則となっています。その際、誰が一番格上の大御所・大先輩なのかをマネージャーと綿密に確認し、挨拶回りの順番を誤らないよう細心の注意が払われています。この挨拶を怠ったり順番を間違えたりすることは、業界内での信頼失墜に直結するシビアな問題です。