「お酒が強い体質だから健康面も安心」と考えるのは大きな間違いです。むしろ、医学の現場ではお酒に強い人ほど重篤な疾患を抱えやすいと警告されています。
お酒に弱い人は、不快な症状がブレーキとなって自然と飲む量をセーブできます。一方、お酒が強い人は二日酔いや気分の悪さといった「身体の防御アラート」が鳴らないため、知らず知らずのうちに純アルコール摂取量が過剰になりがちです。その結果、以下のリスクが静かに進行します。
・脂肪肝・アルコール性肝炎・肝硬変の進行:
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、激しい炎症が起きても自覚症状がほとんど出ません。気付いたときには手遅れになっているケースが後を絶ちません。
・高血圧・痛風(高尿酸血症)・心疾患:
毎日の過度な飲酒は血管を傷つけ、血圧の上昇や尿酸値の急激な悪化を招きます。
・アルコール依存症への移行:
飲酒量が年々増えていくことで脳の報酬系が変容し、自分の意志で酒量をコントロールできなくなるリスクが高まります。
酒豪を自負する人こそ、週に最低2日以上の完全休肝日を設け、1日の純アルコール摂取量を適正範囲(厚生労働省の指標では男性で約20g、ビール中瓶1本程度)に抑える自己規律が不可欠です。