ATMの普及や新紙幣の完全定着に伴い、銀行やコンビニの端末から引き出した紙幣がすべて折り目のない新札・ピン札だったという状況は頻繁に起こります。「新札しかないから持参できない」と躊躇する必要は一切ありません。こうした緊急時の対処法として定着しているのが、「あらかじめ自分の手で折り目をつけてから包む」という作法です。
具体的な折り目の付け方は極めて明快です。お札の肖像画が描かれている面を内側、あるいは外側にして、紙幣の中央部分を指でしっかりと一度折り込みます。その後、紙幣を再び開いてのし袋に収めます。一度折り目を入れるだけで、紙幣は「新札」から「流通札(使われていたお札)」へと属性を変え、「急な知らせを受けて手持ちの中から清潔なお札を選んで包んだ」という文脈を物理的に生み出すことができます。
一方で、注意しなければならないのが「汚れた紙幣」との境界線です。「新札がダメなら、シワだらけのお札でよいのか」といえば、決してそうではありません。お見舞い旧札きれいなお札が推奨されるのは、相手の快復を祈る神聖な金員であるためです。ボロボロに破れかけた紙幣や、汚れ・手垢のひどい紙幣を包むことは、相手の尊厳を傷つける明らかな非礼となります。「清潔感のある旧札」がベストであり、それが見当たらなければ「新札に折り目を1本つける」のが最もスマートな解決策です。