メジャーリーグベースボールのセントルイス・カージナルスで活躍するラーズ・ヌートバーが持ち込んだペッパーミルパフォーマンス。その原点は、チーム内でヒットを打ち出す苦しさを「胡椒を挽くように泥臭く粘り強く搾り出す(Grind it out)」というスラングに由来する。日系メジャーリーガーとして初の日本代表入りを果たした彼が、初対面のチームメイトたちと即座に打ち解けるための共通言語として選んだのが、まさにこの動作だった。
文化や言葉の壁を一瞬で打ち砕くパワーが、あの手首を回すジェスチャーには宿っていた。ベンチで誰かがヒットを打つたびに胡椒を挽く仕草を見せる。ただそれだけで、チーム全体の緊張がほぐれ、ベンチの雰囲気がガラリと変わった。チーム合流当初の不安を一気に吹き飛ばした影の立役者は、彼の明るい人柄とこのパフォーマンスに他ならない。