夜行妃古壱を語る上で絶対に外せないのが、あまりにも有名な「珈琲(コーヒー)」への常軌を逸したこだわりだ。自らサイフォンやネルドリップで淹れる自家焙煎珈琲は、周囲の誰もが一口飲んだだけで悶絶するほどの「激マズ」仕様。にもかかわらず、本人は至高の一杯だと信じて疑わないギャップが、シリアスなサスペンス展開に極上のユーモアをもたらしている。
この珈琲への執着には、実は隠された裏設定が存在する。味覚の異常とも思えるこだわりは、かつて壮絶な修羅場を潜り抜けてきた代償なのか、あるいは過酷な戦いの中で研ぎ澄まされた感覚の歪みなのか。ファンによる考察では、彼の五感が常人を超越しているがゆえの現象だという説も根強く、単なるコメディ要素にとどまらない深みを感じさせる。