この手法の決定的な違いは、トレンドを追いかけるのではなく、市場の歪みそのものを人工的に拡大させて利益を得る点にある。板の薄い時間帯や決算発表直後の混乱期をターゲットに、大量の注文と即時キャンセルを高速で繰り返す。相場に擬似的な勢いを作り出し、他者の自動追随注文を誘発させる仕組みだ。
いわば、他人の注文を「餌」にして急変動を作り出す手法と言える。ある国内証券のディーラーは匿名を条件に「板が突然不自然な動きを見せたら、間違いなくこのシステムが作動している。追随した瞬間に逆指値にかかり、資金を失う若手トレーダーが後を絶たない」と実情を明かす。