カタールW杯後の2026年12月、日本サッカー界において異例となる森保一監督の続投が正式発表された際、世論は賛否両論に揺れました。「同じ指揮官では戦術的な手詰まりが起きるのではないか」という懸念の声が上がったのも事実です。しかし、指揮官自らが専門誌のインタビューや手記で明かした「世界基準からの逆算と個の最大化」というビジョンは、確かな形となってピッチ上に結実しました。
続投後の森保ジャパンにおける最大の進化は、名波浩コーチや前田遼一コーチらとの緻密な協業体制による3-4-2-1(攻撃時3-2-4-1 / 守備時5-4-1)の可変システムの導入です。従来の4-2-3-1ではサイドで孤立しがちだった三笘や久保に対し、中央レーンとハーフスペース(相手DFとMFの間の危険なエリア)を緻密に連動させるポジショナルプレーを落とし込みました。
この戦術的転換により、日本は強豪国相手にドン引きしてカウンターを狙うだけでなく、引いた相手に対しても主導権を握って押し込み続ける「主導権を握る攻撃的フットボール」を手に入れました。個々の選手の判断に頼るだけでなく、明確なビルドアップの約束事をチーム全体で共有したことが、予選での記録的なゴールラッシュを生み出す源泉となっています。