圧倒的な視聴率と熱狂的なファン層を誇りながら、なぜプロジェクトは容易に動き出さないのか。業界関係者の証言やこれまでの取材記録を総合すると、コード・ブルー 続編 やらない理由として以下の3つの構造的障壁が浮かび上がってきます。
第1に、主要キャスト5名のスケジュールと所属形態の激変です。2008年の1st season開始当初は若手トップランナーだったキャスト陣も、現在は全員が映画や連続ドラマで単独主演を張る主役級俳優へと飛躍しました。特に山下智久は国内外を行き来するグローバル展開を進めており、新垣結衣や戸田恵梨香も厳選した作品選びを行っています。この5人の拘束期間を3カ月〜4カ月単位で確保することは、現在のテレビドラマ制作のスケジュール調整において奇跡に近い難易度を誇ります。
第2に、医療監修および制作費の天井知らずの高騰です。ドクターヘリの運用費、ロケ地となる救命救急センターの確保、そして極限のリアリティを支える複数の高度救急医による実地監修には、通常の現代劇の倍以上の制作予算を要します。民放各局のドラマ制作費が適正化へと舵を切るなかで、以前と同規模の連続ドラマを地上波で成立させるハードルは格段に上がっています。
第3に、物語としての完成度とクリエイティブの責任です。2018年公開の劇場版において、藍沢耕作はトロント大学への派遣、白石恵は翔北救命のリーダーとしての確立、緋山美帆子・冴島はるか・藤川一男もそれぞれのキャリアと人生の選択を果たしました。見事な着地を見せた物語に「蛇足」を付け加えることへのクリエイター陣の葛藤も、安易な続編制作に踏み切れない大きな要因となっています。