投手を評価する指標として、いまや防御率以上に重視されるのがセイバーメトリクスにおける奪三振率(K/9)だ。9イニング換算で何個の三振を奪えるかを示すこのシンプルな指標は、投手の真の支配力を冷酷にあぶり出す。K/9が10.0を超えれば押しも押されもせぬエース級、12.0を超えれば打者にとって悪夢そのものと言える。
プロ野球の歴史を振り返っても、インプレーによる打球の行方は運に左右される要素が大きい。野手の守備範囲、球場の広さ、芝の状態。しかし、K/9の高さはそうした不確定要素をことごとくシャットアウトする。ゾーン内に投げ込みながら空振りを奪える投手は、四球による自滅リスクも低く、結果としてチームの勝利確率を最も安定して引き上げる。数字が示すのは、打者がバットに当てることすら許されないという絶対的な敗北の証明だ。