多くの視聴者が最も引き込まれたのが、第3集で明かされるネアンデルタール人の絶滅理由とホモ・サピエンスが生き残った理由の対比です。
寒冷なヨーロッパに適応していたネアンデルタール人は、私たちよりも頑強な骨格と太い筋肉、さらにはホモ・サピエンスと同等以上の大きな脳を持っていました。超至近距離で大型獲物を仕留める強靭なハンター集団であり、一見すると生存競争においてサピエンスより圧倒的に有利に思えます。
しかし、激しい気候変動が獲物の激減をもたらしたとき、勝敗を分けたのは「道具の投擲技術」と「巨大な協力ネットワーク」でした。ホモ・サピエンスは軽量な投槍器を開発して安全な距離から獲物を狩る知恵を持ち、さらに見知らぬ他者ともビーズの装飾品やシンボルを介して緩やかにつながる大規模な社会性を築いていました。
家族単位の少人数で孤立して暮らしていたネアンデルタール人は、環境変化による食糧難の打撃を直接受けて個体数を減らし、歴史の表舞台から姿を消すことになりました。一方、離れた集団同士で情報や資源を融通し合えたホモ・サピエンスは、危機を乗り越えて地球全土へ生息域を広げることに成功したのです。