ネズの木につく球果は、熟すと緑色から黒紫色へと変化し、表面に白い粉をまといます。これこそが、世界中で愛飲されるスピリッツ「ジン」の主原料となるジュニパーベリー(杜松子:トショウシ)です。ヨーロッパではセイヨウネズ(Juniperus communis)が主に使われますが、日本のネズの木の実も同様に極めて芳醇な香りを持っています。
古くから東洋医学や民間療法において、杜松子には以下のような薬効があると伝えられてきました。
利尿作用とデトックス効果:体内の余分な水分や老廃物の排出を促し、むくみの解消に役立つと重宝されてきました。
健胃・消化促進:スパイシーで清涼感のある香気成分が胃腸を刺激し、食欲不振や消化不良をサポートします。
抗菌・抗炎症作用:伝統的なハーブ療法では、関節痛を和らげる湿布やオイルトリートメントの原料として活用されてきた経緯があります。
家庭でネズの木の実を活用する際は、完熟した黒紫色の実を乾燥させ、スパイスミルで軽く潰して肉料理(特にジビエや豚肉のロースト)の臭み消しとして使うのが定番です。また、ウォッカなどの高アルコール度数の甲類焼酎に数粒漬け込むだけで、自家製の即席クラフトジン風スピリッツを楽しむことができます。