大手シンクタンクやITサポートデスクに寄せられる問い合わせログを調査すると、月末月初における経理・総務部門の負担は、データの入力作業そのものよりも「入力前に行うシート準備やフォーマット整理」に集中している実態が浮き彫りになっています。
都内の大手SIerで社内ITヘルプデスクを担当する30代マネージャーは、現場の実情を次のように明かします。「毎月第1営業日になると、『シートを47都道府県分コピーしていたら途中でExcelがフリーズした』『右クリックメニューの移動とコピーを連打していて腱鞘炎になりそうだ』という相談が必ず寄せられます。手作業の連打は指先の疲労だけでなく、誤って関係ないシートを上書きしてしまう人為的ミスの温床です」。
また、SNSやビジネスコミュニティの声を検証しても、「シートを増やしただけで仕事をした気になってしまい、肝心のデータ分析に入る前に集中力が切れる」「原本シートの数式を壊さないよう慎重に手作業で増やしていたら、午前中が丸ごと潰れた」といった切実な嘆きが散見されます。無意識に繰り返しているクリック作業が、脳のワーキングメモリを浪費させ、本質的な業務を阻害している現実は見過ごせません。