人食い部族は現代も実在するのか?コロワイ族と食人儀式の深層

人食い部族は現代も実在するのか?コロワイ族と食人儀式の深層

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パプアニューギニアと並んで「人食い部族がいるのではないか」とネット上で噂されるのが、インド洋アンダマン諸島に位置する北センチネル島や、南米アマゾンの密林深部に潜む未接触部族です。

北センチネル島に外部者が不用意に近づくと、激しい弓矢の雨に晒されます。2006年に漂着した密漁者2名や、2018年に違法上陸を試みたアメリカ人キリスト教宣教師ジョン・アレン・チャウ氏が矢で射殺された事件は世界的なニュースとなりました。この悲壮な事件から「捕まったら食べられてしまう島」という短絡的な言説が独り歩きしました。

しかし、インド政府の人類学調査班による遠隔観察記録や、殺害された宣教師の遺体が砂浜に埋葬された事実からも判明している通り、センチネル族に食人風習は存在しません。彼らは約6万年間にわたり独自の生活圈を守り抜いてきた孤立部族であり、徹底した排外行動は「外部から持ち込まれる麻疹やインフルエンザなどの病原体から子孫を守る防衛本能」あるいは侵略者に対する縄張り警備にすぎません。

南米アマゾンのブラジル・ペルー国境周辺に現在も十数グループが存在するとされる未接触部族についても同様です。彼らの危機は、違法伐採業者や金の密採掘者(ガリンペイロ)による銃撃と水銀汚染にあり、「人を食べる野蛮な部族」という風評被害は、彼らの存在と居住地の保護権を軽視しようとする開発側の欺瞞として利用されてきた歴史があります。

橋本 菜々子
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橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。