古谷の評論に漂う独特のグルーヴ感は、彼が長年培ってきたサブカルチャー批評の知見に由来する。アニメ、マンガ、ライトノベルといった現代日本の大衆文化を単なる娯楽として消費するのではなく、そこに潜む若者の欲望や社会の無意識を読み解くツールとして縦横無尽に活用する。
このアプローチは、本来の健全な保守主義の再構築にも寄与している。過去の伝統を単に盲信するのではなく、現代のカルチャー空間で生きる人々の情念や生活実態に寄り添うこと。サブカルチャー批評のレンズを通して見つめることで、観念論に陥りがちな現代政治の歪みを浮き彫りにしてみせるのだ。