1990年代後半から2000年代初頭にかけて、内館牧子はさらに先鋭化した愛憎ドラマを連発します。『週末婚』では、永作博美演じる主人公と、松下由樹演じる実の姉による泥沼の確執が描かれました。姉が妹の靴に画鋲を入れる、夫を誘惑するなど、日常に潜む陰湿な攻撃が次々とエスカレートしていく構成は、視聴者を釘付けにしました。
さらに2003年の『年下の男』(TBS系)では、稲森いずみ演じるヒロインと、高橋克典、要潤らが織りなす複雑な恋愛模様に、風吹ジュン演じる母親の情念が絡み合う異色の展開を見せました。母と娘が同じ男性を巡って葛藤する危うい心理構造など、タブー視されがちな人間の生々しい本能を描き切る筆力は、内館ワールドの独壇場です。