現代野球における指名打者運用の最大の転換点となったのが、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が切り拓いた「投打二刀流」に伴うルール改定です。MLBで2026年に導入された通称「大谷ルール(Ohtani Rule)」は、2026年シーズンからNPBでも正式に導入されました。
従来の公認野球規則では、先発投手が打順に入った場合、その試合でDHを使う権利を放棄したとみなされ、降板後は代打やリリーフ投手との複雑な交代が必要でした。しかし新ルールでは、「先発投手が自分自身の指名打者として同時に先発出場できる」と規定されています。これにより、投手を降板してベンチに退いた後も、指名打者として試合終了まで打席に立ち続けることが可能になりました。
また、一般的な指名打者ルールの運用において知っておくべき重要な要素が「指名打者の解除(消滅)」です。試合展開の中で以下のような事象が発生した場合、DH制は解除され、以降は投手が打席に入らなければなりません。
・指名打者が守備位置に就いた場合(例:DHの選手が試合途中でレフトの守備に入る)
・守備に就いている選手が指名打者の打順に入った場合
・投手が指名打者以外の守備位置に移動した場合
DHを解除すると、交代でマウンドに上がる救援投手が打順に組み込まれるため、終盤の代打策や継投策に大きな制約が生まれます。ベンチワークの巧拙が勝敗に直結するポイントです。