「真面目に働いているのに、なぜか口座残高が増えない」と嘆く人たちを取材すると、共通して「現在バイアス」と呼ばれる心理的罠に囚われている実態が浮かび上がります。現在バイアスとは、将来得られる大きな利益よりも、目の前にある小さな快楽や安心感を過大評価してしまう心理傾向です。
仕事帰りのコンビニでなんとなく新商品スイーツを買う、疲れたからと毎日タクシーを利用する——こうした数百円から数千円の出費は、一回ごとは些細に見えても月単位で数万円規模の使途不明金へと膨らみます。お金に嫌われる人の行動パターンを紐解くと、自身の感情をコントロールするために財布を開く「ストレス発散型消費」が常態化しているケースが目立ちます。
さらに、お金が貯まらない人は「自分が何にいくら使っているか」を正確に把握していません。支出の現実と向き合う恐怖から家計簿や口座の明細確認を後回しにし、結果として毎月の収支がブラックボックス化する悪循環に陥っているのです。