情報環境の変化も、この問題をより切実なものにしている。NHKの『クローズアップ現代』をはじめとする報道番組でもたびたび議論されるように、SNSの普及は社会的分断と論点の逸脱を加速させた。アルゴリズムが感情的で刺激的な発言を優先して拡散するため、真摯な政策論議よりも「すり替えられた極論」の方が人々の目を引きやすいためだ。
例えば、Yahoo!ニュースのコメント欄やSNS上のスレッドを見ると、元の記事が提起した社会課題の分析はそっちのけで、投稿者個人の批判や無関係な政治的ラベル貼りに終始するケースが散見される。論点が意図的にずらされることで公論の質が低下し、建設的な合意形成が著しく阻害されているのが現代社会のリアリティだ。