アメリカ本国で圧倒的なシェアを誇る巨大メーカーにとっても、世界市場の攻略は一筋縄ではいかない。ゼネラルモーターズ(GM)を率いる最高経営責任者(CEO)のメアリー・バーラは、不採算地域からの撤退や再編を断行し、収益性の高い北米市場や電動化技術へリソースを集中させる戦略に舵を切った。これは実質的なグローバル戦略の見直しを意味している。
一方のフォード・モーターも、本国市場の絶対的エースであるピックアップトラック「フォード・F-150」に頼る構造から抜け出せずにいる。F-150はアメリカ国内ではベストセラーとして君臨し続けるものの、狭隘な道路が多い日本や欧州では、その巨体ゆえに一般ユーザーの手に余る存在だ。
自国市場での成功体験があまりにも大きすぎたがゆえに、世界標準に合わせたコンパクトで高効率なモデルの開発が後手に回った。北米で稼いだ利益で他地域の不振を補う構造が長く続いた結果、世界各国の顧客ニーズからズレが生じることとなった。