警察官が無作為に通行人を呼び止めているように見えても、法的な根拠なく市民の行動を制限することは許されていません。根拠法である警察官職務執行法第2条1項では、「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者」を停止させて質問できると定めています。
パトロールを行う地域課の警察官や自動車警ら隊(通称:自ら隊)の現場では、この「相当な理由」を判断するために具体的な観察ポイントを設定しています。代表的なチェック項目が、警察官の姿を視界に入れた瞬間の「視線の動き」と「身体の反応」です。
パトカーと目が合った瞬間に急に方向転換をしたり、ポケットに手を突っ込んで早足になったりする動作は、捜査員にとって最も分かりやすい違和感のシグナルとなります。やましいことが何もない一般人であっても、「警察が苦手だから目を逸らす」という無意識の防衛本能が、皮肉にも警察官の声かけ基準に合致してしまうケースが後を絶ちません。