本作の監督を務めた水島努の手腕は、劇中のリアルな劇画タッチの描写に凝縮されている。全国の追っ手から逃れる中で、野原一家が追い詰められた際に突如として変貌する濃密なリアル顔の作画シーンは、当時の観客に強烈なインパクトを与えた。ギャグとシリアス、そして劇画調の作画が目まぐるしく交錯するテンポ感は圧巻の一言だ。
長年にわたりシリーズを手掛けてきたシンエイ動画の制作力も光る。単なるデフォルメアニメにとどまらず、キャラクターの重心の移動やスピード感溢れるカメラワーク、筋肉の躍動に至るまで、アニメーションとしての純粋な気持ちよさが緻密に計算されている。この圧倒的な作画クオリティがあるからこそ、くだらない設定の上に乗るアクションが本物のカタルシスを生み出しているのだ。