あずきバーのルーツを辿ると、井村屋が創業以来培ってきた和菓子づくりの伝統技術に行き着く。もともと羊羹やぜんざいの製造を得意としていた同社が、「ぜんざいをそのまま凍らせたら美味しいのではないか」という発想から1973年に発売を開始した。この食品製造業としての挑戦が、日本の冷凍食品史に残る大ヒット商品を生み出すこととなった。
時代が変わり、アイスクリーム業界が口溶けの良さやソフトな食感を追求するトレンドへ向かうなかでも、井村屋は伝統のレシピを守り続けた。添加物を加えて柔らかくすることは技術的に可能であるにもかかわらず、安心・安全な素材本来の味を届けるという信念を貫いた結果、唯一無二の存在感が確立されたのである。