「ヘッドを回すとアジマスが狂うなら、テープそのものを外に押し出してひっくり返せばいいではないか」
そんな前代未聞の逆転発想で世界中を極致の驚愕に包んだのが、伝説のオーディオブランド・ナカミチが開発した「UDAR(Unidirectional Auto Reverse)」機構である。「RX-202」や「RX-505」といった名機に搭載されたこのメカニズムは、カセットトレイが前方へシャキッと飛び出し、アームがカセットホルダーを掴んで180度くるりと反転させ、再びデッキ内部へと引き戻す。
まるでSF映画のロボットアームのような動きだ。見た目のインパクトもさることながら、磁気ヘッドの位置は完全に固定されているため、ワンウェイ(片道)専用デッキと同等の完璧なアジマス精度と高音質を維持できた。まさに日本の職人魂が生み出した狂気の精密工学と言える。