日本から遠く離れた太平洋赤道域の海水温変化も、列島の夏に決定的な影響を与えています。南米沖から太平洋中央部にかけて海面水温が平年より高くなるエルニーニョ現象、および逆に低くなるラニーニャ現象は、地球規模の大気循環を大きく揺るがす現象です。
ラニーニャ現象が発生している期間やその終息直後は、インドネシア近海からフィリピン東方沖の対流活動が活発化します。その結果、日本付近に張り出す太平洋高気圧の勢力が北へ強まり、列島全体が厳しい熱波に見舞われやすくなります。
一方でエルニーニョ現象の終息期であっても、インド洋の海面水温が高水準を維持することで大気循環の波が伝わり、同様に日本付近の高気圧を強める事例が確認されています。近年の日本周辺海域における海面水温の記録的高水準も加わり、海から冷やされる効果が薄れたことで、夜間の最低気温が下がりにくい過酷な環境が定着しています。