80年代後半、映画史に強烈な爪痕を残したのが『チャイルド・プレイ』だった。殺人鬼の魂が宿った殺人人形チャッキーの凶行は、玩具という日常の安全地帯を惨劇の舞台へと一変させた。子供の遊び相手が牙を剥くという絶望感。それは単なるスプラッターの枠を超え、世界中の観客に「夜中に人形と目を合わせられない」というトラウマを植え付けた。
時代が下り、恐怖の質は心霊現象からテクノロジーへと地殻変動を起こしている。AI技術が社会に急速に浸透するなか、自律型AIを搭載した少女型人形が制御不能に陥る『M3GAN ミーガン』は、現代のデジタル依存社会が生んだ新たな悪夢だ。玩具からAIへ。無機物が放つ狂気は、テクノロジーの進歩とともに形を変え、世界中の映画産業に絶え間ない刺激を与え続けている。