社会現象となったドラマ『サ道』の放送以降、温浴施設は単なる中年男性の憩いの場から、若者やクリエイターがこぞって集うカルチャースポットへと変貌を遂げた。原田泰造が演じた主人公の穏やかな恍惚感は、多くの視聴者を虜にし、全国的なブームを決定づけた。
しかし、ドラマが描いたのは「無理のない正しい作法」だったはずだ。ブームが拡大するにつれ、SNS上では「限界まで耐えてから水風呂に飛び込む」といった過剰な耐久競争が横行し始めた。ブームの熱狂が、本来の目的であったはずのリラクゼーションを、過激な身体負荷ゲームへと変質させてしまった側面は否めない。