タイトルにも冠されている「クリスマスキャロル(Christmas Carol)」という言葉の本来の意味や由来を知ると、歌詞の持つコントラストがさらに際立ちます。
クリスマスキャロルとは、もともとキリストの生誕を祝福するために歌われる民謡や宗教的な賛美歌を指します。語源は中世フランスの輪舞歌「carole」に由来し、古くから人々が集い、喜びを分かち合いながら歌い継いできた伝統的な祝歌です。また、文豪チャールズ・ディケンズの著名な中編小説『クリスマス・キャロル』によって、改心や人間愛の象徴としても広く知られています。
作詞の秋元康は、この神聖かつ幸福な祝祭の響きを、日本の都市部に流れる商業的なBGMや季節のシグナルとしてメタファーに用いました。街中がキャロルで満たされる華やかな季節と、別れの瀬戸際に立たされた二人の孤独な心境。その強烈なコントラストを描き出すための重要な装置として、「クリスマスキャロル」という言葉が機能しています。