富、権力、愛憎、そして血縁の裏切り。財閥という特異な生態系は、古今東西のクリエイターたちを惹きつけてやまない極上のテーマだ。山崎豊子の不朽の名作を映像化した経済ドラマ『華麗なる一族』は、高度経済成長期の銀行再編を舞台に、一族の繁栄のために子息の政略結婚を冷酷に推し進める家長の狂気と破滅を冷徹に描き出した。
近年、この系譜は配信プラットフォームを通じて世界的なエンターテインメント現象へと進化を遂げている。Netflixなどで世界的大ヒットを記録した『財閥家の末息子』は、財閥一家の裏金管理を担い切り捨てられた忠臣が、一族の末息子として生まれ変わり、未来の知識を武器に巨大グループを乗っ取っていく痛快な復讐劇を描いた。1980年代から2000年代にかけての韓国現代史の経済事件を巧みに織り交ぜたプロットは、視聴者に強烈なリアリティと知的好奇心を提供した。
さらに、大ヒットドラマ『涙の女王』では、デパート業界を牛耳る財閥3世の令嬢と地方出身のエリート弁護士の結婚生活を軸に、華やかな上流階級の裏に潜む権力争いと人間性の回復が鮮やかに描かれた。過剰なまでの特権階級の描写に大衆が熱狂するのは、手の届かない富豪一族への羨望と、莫大な富の裏にある孤独や脆さを覗き見たいという普遍的な心理があるからにほかならない。