SNSやネット掲示板における筋肉芸への評価は、ここ数年で劇的な変化を遂げています。かつてのネットコミュニティでは「筋肉をつけるとボケの切れ味が鈍る」「芸人が体を鍛え始めたら終わり」といった批判的な言説が根強く存在していました。しかし現在、X(旧Twitter)やYouTubeのコメント欄に並ぶのは賞賛の声が大多数を占めています。
大手ネットリサーチ企業が実施した意識調査の傾向を見ても、「筋肉芸人に対して抱く感情」として「清潔感がある」「努力を尊敬できる」「見ていて元気がもらえる」という回答が全体の78.4%を占めました。従来の「暑苦しい」「威圧感がある」といったネガティブイメージは過去のものとなっています。
キー局のチーフプロデューサーは、番組制作の現場における筋肉芸人の重用理由について次のように語っています。
「生放送や大型特番において、彼らほど計算が立つ演者はいません。予定していたコーナーが数分巻いた(余った)際、『おい春日、何かやれ』『きんに君、筋肉で締めてくれ』と振るだけで、確実にスタジオと茶の間を沸かせることができます。さらに、彼らは極端な食事制限や過酷な追い込みを日常的に行っているため、長時間のロケやハードなスケジュールでも現場で不平不満を漏らさず、メンタルが信じられないほど安定している。制作サイドからすれば、これほど頼もしい存在はありません」
過酷なトレーニングで培われた強靭な自制心と忍耐力は、お笑いの瞬発力だけでなく、過酷なエンタメ現場を生き抜くための最強の職業倫理(ワークエシック)として機能しているのです。