「デパ地下で高級美容液を爆買いしていた時代が懐かしいですよ」と、都内有名百貨店のインバウンド担当者は苦笑交じりに明かす。観光客の買い物の仕方は明らかに変わった。一括大量購入のブームが去り、日本人が日常的に愛用する「本当に質の良いもの」を吟味して購入する傾向が完全に定着している。
この変化は、日本のインバウンド観光産業にとっても大きな転換点となっている。量から質への転換を歓迎する声がある一方で、かつての爆買いによる爆発的な売上に依存していた一部の免税店や販売店からは困惑の溜め息も漏れる。観光業界が直面しているのは、目の肥えた個人のニーズにどう応えるかという、より高度なマーケティング戦略なのだ。