飛行機の色が白い理由として、最も物理的・機能的な根拠となるのが太陽光の反射と遮熱効果です。旅客機は高度1万メートル前後の成層圏近くを巡航するため、地上よりもはるかに強い紫外線と強烈な直射日光に晒され続けます。
白という色彩は可視光線のみならず赤外線も効率よく反射するため、機体表面の温度上昇を最小限に食い止めます。もし胴体がダークトーンや濃色で塗られていた場合、炎天下の駐機中に機体内部の温度が急上昇し、客室を冷却するために補助動力装置(APU)や地上の空調設備をフル稼働させなければならず、余計な燃料を消費してしまいます。
近年の主力機であるボーイング787やエアバスA350などでは、軽量化のために炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの複合材料が多用されています。複合材は熱による影響を受けやすいため、表面温度の上昇を抑える白い塗装は、機体構造の耐久性を長期にわたって保護する上でも不可欠な要素です。